読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

春琴抄

見えないからこそ美しい、美は目に見えないものの中にある、とか月並みなことを最初は思ったけどでもよく考えたら、目の見えない人の恋ってどんなものなんだろう。9つまで自分の顔を親の顔も人間の表情も知ってその意味も学んで知っていたのなら、でも春琴には佐助の顔もその体も背も表情も目の色も何もなくて、ただ声と手、それから体があったのなら、その人はどう映ったんだろう。太宰祭りをしようと思ったら青空文庫のしおりに引っ張られて読んだけどその体ごと知っている人の自分を拝むような思いを子供のころから何十年と浴びて生きて、そして最後にその魂にまで触れ合うのは、本当に睦みあいみたいな人生だな真夜中の、いやそういうの真夜中にしかやらないか。お下品。

固くとがった美しいその人の愛、ねじくれてて不可解でめちゃくちゃきれい。